光を背負う、僕ら。―第1楽章―

あたしがあたしのままでいること。



それがなぜ、お母さんの支えになるの?




「どうしてそれが、支えになるの?」




あたしは心の中で思ったことを、そのままお母さんに尋ねていた。



するとお母さんは、ふと再び戸棚の上に並べてある写真たてに視線を向ける。



中でも見ているのは、小学校の入学式の写真だった。



事故が起こった時、あたしは小学一年生だった。



だからお母さんがその写真を見ているのには、ちゃんと理由があるからだって理解出来る。




「…あの頃佐奈は、ピアノ弾くのが大好きだったよね。」



「…うん。」




確かにそう。


あたしはその頃、一番ピアノが大好きになっていた。



やっと上手にピアノが弾けるようになってきた時で、自分で音楽を奏でられる度、すごく楽しさを覚えた。



だからこそ、大好きだったの。



指先から伝わる鍵盤の感触も、どこまでも響く繊細な音も。



ピアノを弾けることが、あたしの生きがいになり始めていた――。