光を背負う、僕ら。―第1楽章―

「もうピアノが弾けないなら、リハビリなんてしたくない。…そう思ってしまうこともあったの。だけどそんな時、支えてくれたのが周りのみんなだった。事務所のスタッフのみんな、お医者さん、お父さん……そして佐奈、あなたも私を支えてくれたのよ。」



「…あたし…が?」




突然言われた言葉に、あたしはまったく覚えがなかった。




お母さんが事故にあったあの当時、あたしはお母さんに何かしてあげることができた?




頭をひねって考えてみても、まったくそれは浮かんでこない。



お医者さんみたいに、怪我の治療をすることも出来ない。



事務所のスタッフやお父さんみたいに、お母さんを精神的に支える力もない。




あたしはお母さんに、一体何をしてあげれたの?




不思議そうにお母さんを見ると、お母さんはあたしの疑問に答えてくれた。




「佐奈が、佐奈のままでいてくれたから。」



「えっ?」



「あなたがあなたのままでいてくれたこと。それがお母さんの支えだったの。」




お母さんはそう言ってくれたけど、あたしはまだ意味がわからない。