光を背負う、僕ら。―第1楽章―

「すぐに病院に行って治療してもらったから、神経が傷付いた右手首もリハビリしたら動くようになるってお医者さんには言われたの。…だけど、前みたいピアノを弾ける保証はないってことも言われた。この時点では、ピアニストとして復帰できるかは五分五分だったの。」




お医者さんの言葉はピアニストとして、とても苦しい宣告。



それはあたしでも、十分理解することができた。




「…すべてが終わった気がした。小さい頃から頑張って積み上げてきた努力が、たった一瞬の出来事で崩れさってしまったの。もう無理だって…本気で思った。」




なぜだろう。


なぜかあたしが、無性に泣きたくなった。



ピアノが弾けなくなる。



それはあたし自身も体験していること。



だからこそ、お母さんの気持ちに感情移入していたのかもしれない。



大好きだったピアノが、もう弾けない。



それはピアニストにとっては絶望的な現実。



それをお母さんは、体験してしまったんだね…。