光を背負う、僕ら。―第1楽章―

「……。」



「……。」




ちょっとした沈黙が、二人を包み込む。



沈黙なんて、ほんの一瞬だったはず。



なのにその一瞬がものすごく長く感じられたのはきっと、その沈黙がそれだけ重いものだったからだろう。




「…あの事故はね…。」




重苦しい沈黙を破ったものの、お母さんは途中で言葉を詰まらしてしまった。



言葉にするのも辛いほどの記憶なんだと、空気からひしひしと伝わってくる。



お母さんは閉じかけた唇を一度噛み締めると、思い立ったように言葉を紡いだ。




「…あの事故が起こったのは、事故の翌日に行われるコンサートのリハーサルを、県立ホールで行なっていた時…。」




お母さんの言葉から、少しずつ状況を理解していく。



頭はそれだけで、精一杯だった。




「あの日はスケジュールが少し遅れてた。だから、会場の設備なんかをしながらリハーサルをしてたの。…だけど、それがすべての原因だった。」



「……。」




暗くなるお母さんの表情に、相槌さえ打つことが出来なかった。