光を背負う、僕ら。―第1楽章―

努力して得た喜びも、それ以上に味わう屈辱も、体験した本人にしかわからない。




あたしは今まで、お母さんのことを全然わかっていなかったのかもしれない。



わかっているつもりでも、抱えているものは知っているもの以上だから…。



改めてお母さんのことをもっと知りたいと、心の深い深い場所から思えた。




「それでも、プレッシャーに負けないように頑張った。自分の夢だったし、自分で選んだ道だったからね。…きっと、おばあちゃんの言葉が心に残ってたのね。だから、頑張れたんだと思う。」




お母さんは穏やかに微笑む。



辛いことも、嬉しいことも、すべてを乗り越えた人の笑顔だった。



強くて折れない、真直ぐな意志を表す笑顔にも見えた。




「夢を叶えて、すごく幸せだったわ。そんなお母さんにね、神様はもう一つ幸せをくれたの。」




そう言ってお母さんは、ふとどこかに視線を向ける。



その視線の先を目で追うと、そこにあったのは小さな戸棚。



正確に言えばお母さんが見ていたのは、戸棚の上に並べてある写真たてだった。