光を背負う、僕ら。―第1楽章―

自分がしたいことを出来る環境。



そしてそれを認めてくれる周りの人達。



今のあたしとは、“まるで”がつくほど全然違う。



弾きたくても弾けないピアノ。



反対される、ピアニストという夢。



そのことについてはいろいろとお母さんとも話したいけれど、まずはお母さんの話を聞くのが優先。



今にも口から飛び出してしまいそうな言葉をぐっと押し込んで、あたしはお母さんの言葉に耳を傾けた。




「おばあちゃんはそんな人だから、お母さんは全部一人で考えたわ。…その結果、受験してみることを決断した。ある意味、力試しのつもりだった。難関だと言われる高等部からの入学試験で、自分がどこまで行けるのか。もし受かった時は、本気でピアニストを目指そうとも思ってたわ。」



「それで…受かったんだよね?」




お母さんはゆっくりと、だけど確実に首を縦に振った。




「結果は合格。だけど大変だったのは、入学してからだった。授業は厳しいし、生徒はみんなプロを目指す人ばかり。誰もがライバルでもあったのよ。…だから必死だった。少しでも早く、誰よりも早くピアニストになるために。」




熱意がお母さんの瞳からも、表情からも、声からも伝わってきた。



どれだけピアニストという夢に向かって頑張っていたかという、その熱意が。