光を背負う、僕ら。―第1楽章―

なんで、東條学園のパンフレットが?




突然配られたパンフレットの意味がわからず頭をかしげる。



すると先生が、話を続けた。




「東條学園は初等部から大学部まである、伝統ある音楽学校よ。みんな吹奏楽をしているから、聞いたことあると思うわ。」




先生の説明を聞きながら、あたしはパンフレットの表紙をじっくりと見つめた。




東條学園って、そういえばなんとなく聞いたことある…。



縁がないと思っていたから、あんまりよく知らないけど…。




「東條学園は県内一有名な音楽学校なの。もちろん、県外からの入学者もいるほどのね。実力ある音楽家達も、この学校の卒業生よ。作曲家の富山健蔵さんや、バイオリニストの佐山恵梨さん、あと指揮者の三谷拓郎さんなんかがそうね。」




先生の口から次々と飛び出す有名な音楽家達の名前に、みんなが飛び付くような騒ぎ出した。




「東條学園って、そんなすごい人達が通ってたんだー。」



「知らなかったよね。」




みんな、明らかに驚いている様子だった。