光を背負う、僕ら。―第1楽章―

返ってくる答えがわかっているのに、わざわざ聞くことなんて出来ない。



その苦しさが余計に、割れた心をさらに砕いていった。




伸一と真奈の周りにたかる人達も、あたしの登場はかなり意外だったようで、誰一人口を開かずに驚いたままの状態だった。



教室の中に、一気に流れ込んだ気まずい空気。



今まさに雨が降りそうな瞬間の湿った空気が、それを余計に重く感じさせる。



そんな空気を最初に突っ切って口を開いたのはあたしだった。




「…えっと、入ってもいいかな?」



「う、うん。全然いいよ。」



「ありがとう。」




とりあえず、許可を得てから教室内に足を踏み入れた。



自分のクラスの教室なのに、なんだか変な気分だ。



でも先にいたこの人達の会話を遮ってしまったこともあり、許可を得て入るほうがなんだか気分が軽かった。



許可を得ることが出来たあたしは、そそくさと教室内を歩く。



ただ、真直ぐ自分の机を目指して。



何があっても、伸一と真奈のツーショットだけは見たくなかった。



先ほどチラリと見えてしまったものの、もう見たくなかった。



絶対、何があっても。