光を背負う、僕ら。―第1楽章―

何から何までお見通しのようズバズバと言い当てる実夏。



次から次へと言い当てられる事実を、言われるままに聞いていた。




「佐奈はね、もっと自分の気持ちに自信を持ってもいいと思うの。だてにずっと、伸一君のこと好きでいないでしょ?」



「まぁ…うん。」



「そりゃあ、時には自信なくして自分の気持ちを見失ったり、疑っちゃうこともあるかもしれないよ?でもせっかく芽生えた恋心を疑ったら、芽は枯れちゃうじゃない?せっかく咲きかけた花は、ちゃんと咲かせなくっちゃね!」




恋心を花にたとえて話す実夏は、なんだかとても眩しくてキラキラ輝いて見えた。



実夏はいつだってそうだ。



あたしの恋愛相談を必死に聞いてくれて、解決へと導いてくれる。



同い年なのに、まるで頼れるお姉ちゃんのようだ。




「せっかくだから佐奈、もう少し頑張ってみようよ!」



「…えっ。…何を?」



「何を?じゃないでしょ。伸一君への恋に決まってるじゃない!」



「えっ!?」




一度開けた口は、最後に言った言葉の形をしたまま固まる。