本当は、自信がないだけ。
“自分は、噂なんかに流されてない”って、胸をはって言える自信が――…。
でも、信じたくて仕方がない。
あたしは、自分の意志で伸一を好きになったんだって。
だって、胸が苦しくて涙が出るほど、伸一のことが好きなんだもん…。
実夏に顔を見られないように、ベランダの柵に顔を伏せる。
実夏は、ずっとあたしの恋を応援してくれた。
そんな実夏に、悲しむ顔は見せたくなかった。
その時、ポンッと頭に何かが触れた。
「落ち着いたら、言ってね…?」
今のあたしには、あまりにも優しすぎる言葉だった。
あたしはただ、コクリと頷く。
実夏は、知っていたの?
あたしがうつむいて、泣いていたことに。
実夏はあたしが落ち着くまでの間、そっと頭を撫でていてくれた。
一瞬、学校で泣くと誰かに見られるかなって心配になった。
だけどこのベランダにいるのは、実夏とあたしだけ。
教室にいる人も、運動場にいる人も、誰もあたしが泣いていることに気付いていない。
幸いな環境のおかげで、あたしは溜め込んでいた感情を涙と一緒に出すことが出来た。
“自分は、噂なんかに流されてない”って、胸をはって言える自信が――…。
でも、信じたくて仕方がない。
あたしは、自分の意志で伸一を好きになったんだって。
だって、胸が苦しくて涙が出るほど、伸一のことが好きなんだもん…。
実夏に顔を見られないように、ベランダの柵に顔を伏せる。
実夏は、ずっとあたしの恋を応援してくれた。
そんな実夏に、悲しむ顔は見せたくなかった。
その時、ポンッと頭に何かが触れた。
「落ち着いたら、言ってね…?」
今のあたしには、あまりにも優しすぎる言葉だった。
あたしはただ、コクリと頷く。
実夏は、知っていたの?
あたしがうつむいて、泣いていたことに。
実夏はあたしが落ち着くまでの間、そっと頭を撫でていてくれた。
一瞬、学校で泣くと誰かに見られるかなって心配になった。
だけどこのベランダにいるのは、実夏とあたしだけ。
教室にいる人も、運動場にいる人も、誰もあたしが泣いていることに気付いていない。
幸いな環境のおかげで、あたしは溜め込んでいた感情を涙と一緒に出すことが出来た。



