光を背負う、僕ら。―第1楽章―

あんなに、騒いでたのに…。




さすがの実夏も、あたしの迫力には驚いたらしい。



目をキョトンとさせて、あたしを見ていた。




「…だからなんじゃない?」



「えっ…。」




実夏の声で、あたしはとりあえず落ち着きを取り戻す。




「騒いでたから、本気じゃないの?」




あたしの質問に実夏は一瞬悩んだけど、ゆっくりと答えてくれた。




「みんながみんな、そういうわけじゃないよ?でもほら、一時はある芸能人にみんなが夢中になるけど、しばらくたったら別の芸能人に夢中になるでしょ?それと一緒みたいなものだと思うよ。」



「…そういうものなのかな?」



「うーん、ある程度そういうものだよ。たとえば仮に、AちゃんがB君を好きになるとするでしょう?その噂が流れるうちに、自分も流行に乗るみたいにそのB君を好きになっちゃうんだよ。みんな噂に暗示をかけられて、本気の恋をしてない。だから噂に流されて騒いでた人に限って、立ち直りが早いわけ。」




言う言葉が、見つからなかった。



恋って、そういうものなの?