光を背負う、僕ら。―第1楽章―

「ねぇ、実夏?」



「なーに?」



「どうしてみんな、伸一への恋からすぐに立ち直れるのかな?」




お昼休み。



教室から一歩出た場所にあるベランダの柵にもたれかかり、そこから見える運動場を見ながら実夏に聞いた。




「そんなの、本気の恋じゃないからに決まってるじゃない。」



「…えっ?」




信じがたい答えが返ってきたことに驚き、柵に預けていた体を起こす。



あたしとは反対方向を向いて柵にもたれかかる実夏は、眉をピクリとも動かさず平然としていた。




「そんなに驚くこと?あたしが見る限り、ほとんどの子は本気で伸一君のこと好きじゃなかったと思うよ。」



「ほっ、本気じゃない?」



「そう、だから簡単に立ち直れるってわけ。」




実夏は小さくあくびをする。



給食を食べたばかりだから、目の皮がたるんできたのだろう。



あたしもさっきまで同じように眠たいと感じていたけれど、今はそんなのすっ飛んだ。




「なんで!?みんなあんなに騒いでたのに、本気じゃなかったの?」




在りし日のみんなの姿を思い浮かべたら、思わず声が大きくなった。