光を背負う、僕ら。―第1楽章―

…ドキンッ




そこにいた人物と思わず目が合い、鼓動が一段と速くなる。



あたしが顔を上げた時に見えたのは、あたしの方を見る達也と伸一の姿だった。



…というか伸一は、あたしではなくて、あたしが手に持つ本を見ている。




「それ、ハロー・ポッキーの最新作だよな?」



「えっ、…うん。」




自分が持っていた本の表紙と伸一を交互に見てそう答えた。



すると伸一は、さっきより少しだけ声のトーンを上げて言う。




「俺、それの第1巻読んだぜ!」



「そうなの!?」




ついさっきまでは伸一が傍にいることを辛く感じていたあたしだけど、共通の話題を持ち出されたことで、そんなことはすっかり頭から忘れ去ってしまった。




「第1巻面白かったよな!」



「うん。すごく面白かったよね!特に、ラストシーンとかハマっちゃった!」



「そうそう!ラストシーンは最高だった。でも、あれだよなー。めっちゃ気になるところで“第2巻につづく”だもんなー…。」



「そうだよね。だからあたし、続きが気になってさっそく買っちゃった!」




そう言いながら、本の表紙が伸一に見えるように向ける。