光を背負う、僕ら。―第1楽章―

「あっ、また伸一と隣りの席だ!」




真奈の少し喜びを抑えた声が、衝撃を受けた心に更に衝撃を加えた。



真奈は伸一が好きだから、自分の気持ちを悟られないように感情を抑えているのだろう。



しかしそれでも顔は喜びで満ち溢れていて、あたしとは正反対のキラキラとした笑顔になっていた。




「おっ、また隣りの席だな!よろしくな。」




……ズキッ




伸一も、真奈のように笑顔だった。




…やっぱり、神様は意地悪だ。



どうして?

どうして、真奈なの?



伸一を好きな気持ちは、同じなのに。



同じなのに、どうしてまた真奈なの?



それに、伸一だってそんなに笑顔にならないでよ…。



余計に、辛くなるから……。





「はーい、ではみんな。自分の席を新しい席に移動させて下さい。」




先生の言葉が、どこか遠くに感じられた。



でも一応声が聞こえたあたしは、自分の席を動かし始める。



みんなも、一斉に机を動かし始めた。



クラスメートはみんな、我先にという感じに机を動かすから、教室内は大混雑している。