電車の窓から見える景色が次第に色鮮やかな光りを放つと、莉奈の視線を釘づけにしていた。
「…何?都会の景色に見とれてんの?」
美紀は子供っぽい笑顔を見せながら莉奈に言った。
「はい、なんかずっと見てても飽きなそう…。」
莉奈は事実その景色に見とれながら言った。
「飽きるよ(笑)。ずっと住んでればね…。あっ、でも美紀も電車に乗ってる時たまに眺めてるかも…。"飽きる"じゃなくて、"慣れる"…が正しいかな。」
美紀は言った。
「"慣れる"か…、誠二が前に言ってたな…、『どんな事でも三日で慣れる』って…。」
莉奈は誠二が書いたメモを回想しながら言った。
「あっ、良く言うね!それ!
確かに普通にお店とかでも三回目でなんか常連っぽく感じるし、Hも三回目で慣れてたのかも…。」
美紀は敢えて細部の説明は省略して言った。
「………。」
莉奈は目線でその動揺を表現していたが、そこまで深い会話をする程打ち解けていない事から、それを無言で流した。
「"誠二"って彼氏?」
田辺が莉奈に聞いた。
「えっと…、そうなんですけど…、でも、結構前にフラれました…。」
莉奈はせめて一つくらいは真実を言っておこうと思い、失恋した事を告白した。
「そうなんだ…。何で?てか聞いても良い?」
美紀は聞いた後に確認した。
「ん〜…、それはちょっと…。別に言いたくない訳じゃないんやけど、ただ少し複雑やけん…、説明が難しい…。」
莉奈は誠二に関して嘘をつくのが嫌で、そう言って逃げた。
「そうだよね!色々あるよね…。ていうかまた方言出たね?ほんと超可愛いんだけど!」
美紀はからかい半分莉奈の照れる表情見たさにそう言った。
「…………。」
莉奈は顔を背けながら無言で照れていた。
しばらくして電車が目的の駅に着くと、三人はホームに降りた。
「ホテル行く前にコンビニ寄ってこうよ?飲み物とか買うでしょ?」
美紀は言った。
「あっ、飲み物ホテルの部屋に有りますよ。」
莉奈は良かれと思いそう言った。
「ていうか腹減らねぇ?」
田辺が言った。
「減った!でも我慢する…。」
美紀はダイエットの為か、もしくは金銭的な問題なのか…、その理由は説明しなかった。
