僕らの背骨


「あの、私は…、真理さんの友達の友達で、ちょっと話しがあって…、でも、連絡先が分からなくて…。」
莉奈は最初に声を掛けた人間が真理を知っていた事に多少驚いたが、もっともらしい理由でそう聞いた。

「アタシ分かんないや…、知ってる?」
その女生徒は隣にいた友達にそう聞いた。

「前の携帯しか分かんない…。多分もう変わってると思うよ。でも…、一応掛けてみる?」
女生徒は言った。

「あ、お願いします。」
莉奈は言った。

女生徒は携帯で真理の番号を検索し、電話を掛けた。

しかし携帯を耳にあてて間もなく女生徒は首を振り、使われていない番号であった事を莉奈に伝えた。

「誰か知ってる人とかいますか?」
莉奈は食い下がった。

「清水なら絶対知ってると思うけど…、アタシ清水の番号も知らない。」
女生徒は言った。

「…紗耶は?私知ってるよ。」
女生徒の友達は言った。

「紗耶が知ってる訳ないじゃん!あの娘超浮いてるし!多分友達一人もいないんじゃない?」
女生徒は悪びれもせずそう言った。

「………。」
莉奈はそんなやり取りを何故か遠くから眺めるように黙って聞いていた。

「あっ!あれ清水じゃん?」
女生徒の友達は門から出て来た彼氏連れの女生徒を指さしながら言った。

「ほんとだ!今聞いたら?」
女生徒は莉奈を促すように言った。

「あ、でも…。」
莉奈は男子生徒と仲良く手を繋ぎながら歩いている清水美紀を見つめると、多少躊躇した。

「別に関係無いって!…てか何?聞かれちゃマズイ系?」
女生徒は莉奈の表情から勘繰って言った。

「いや、そういう訳じゃないんですけど…、タイミング的に迷惑かな…って。」
莉奈は半分嘘を言った。

「大丈夫だよ…、田辺だし!(笑)」
女生徒は友達に視線を合わせながら言った。

「田辺だし!(笑)」
女生徒の友達も含みのある言い方で清水美紀の彼氏を蔑んだ。

「はぁ…、えっ?田辺だし…ってどういう…?」
莉奈は素直な疑問を聞いた。

「えっ?別になんもないけど…、…普通にブサイクじゃない?(笑)」
女生徒は少し笑いを堪えるように言った。