僕らの背骨


つまり、その"理解"を今はまだ出来なくても、真理自身の大きな意味での"許容"が誠二へ向けられたのなら、今後理解という名の擁護に成り得るのだ。

「完璧に悪人って訳じゃなくない…?その人、結局は真理に言わなかったんだから…。だってさ、真理が傷つくのとか完全に無視してるなら、そんなの会った時すぐ言ってるでしょ?」
美紀はまさしく真理が感じていた事を言った。

「…うん、でもあの人…、結局は私に言うつもりなんだよね…。もし次会ったとしたら…。」
真理は悲しげな顔をしながらそう言った。

「…そうなのかな。でもその人、少なくとも真理を傷つけたくはないっぽくない?そこ重要でしょ!?」
美紀は真理の心情を理解しながら、事態の悲観的な部分を和らげようとそう言った。

「…でも、どっちにしろもう会う事ないかも…。ちょっと待って!ていうかあの人なんで私がここにいたの知ってたんだろう!?あの娘も!?」
真理は不審な思惑を予想しながら言った。

「…あの娘?」
当然美紀は聞いた。

「…さっき、変な娘に話し掛けられた。トイレ行ってた時…。」
真理はここまで話してしまった以上、美紀に隠し事をするのに抵抗を感じて全てを話す決心をして言った。

「何、なんて言われたの?」
美紀は聞いた。

「なんか、"秋子さんは元気?"とか、"誠二にはもう会った"とか…。ていうかあの娘は誰なの…?」
真理は知るはずもない美紀にそれを聞いた。

「知らないよ…、どんな感じの娘?」
美紀は聞いた。

「なんか、私達と同じくらいの娘で、ていうかもしかしたら年下かも…。で、背小さくて、顔小さくて、制服着てた…。」
真理は自分で言っていながら、それがまるで役に立たない情報だと分かっていた。

「ちょっと待って…、ブレザーの制服?この辺じゃ見ないやつ…。もしかしてポニーテールみたいな感じで髪上げてた?」
美紀は一つ一つの質問に頷く真理の表情に驚きながら言った。

「なんで!?」
真理は美紀以上に驚きながら言った。

「さっき言ったじゃん山口県から来た女の子!方言が可愛いって!」
美紀は少し憤りを表しながら言った。