真っ暗なホールのような床に

放り出される。

視界がゼロで、


広ささえ分からない。


どこ?

何で?

誰に?

そんな問いが頭の中で

ぐるぐるする。

こんなの反則だ。

だって、

これでは、

何もできない。

絶望にまっさかさまに落ちそうになって、

ふと、

そこから浮上した。

ここで立ち止まっていたら、

ハムの餌だ。

倒れている、

自分の身を起こす。

と、

自分の胸のあたりが

赤い光を放っていた。

ルビーだ。

球形に形を変えているルビーが、

ゆっくりと、

その光を増して、

辺りを照らしだした。


何もない、


場所ではなかった。