「あなたは、魔界の人?」


ルカが訊くと、老女は

乾いた声で笑った。


「人間じゃ。ここは魔界と人間界の挟間なのじゃ。

多少の魔力を持っていると来られるのだが、

ここに来ると、魔力が増す。

まあ、修業の場じゃな。

じゃから、わしのような占い師がその辺で

ゴロゴロ商売をしておる。」



「商売?お金取るの?それとも・・・魂、とか。」


老女は首を横に振った。


「金も魂もいらん。ただ、再生する気のない魂が

あれば、ハムにやってくれればいい。」


”ハム”というのか、さっきのハムは。

安直な命名だな。

「あれは、人間界でのペットなのだが、

あれが、わしをここへ連れてきたのだ。

どうやらただのハムじゃなかったらしい。

どうも・・・暑いな。」