降りようと

体を引き離すと

地面はぬめぬめした

粘着物質の糸をひいた。


『うわ。』


けれどそれは体を離してゆくと

地面のほうへ

綺麗に戻って行った。

こちらの体は濡れてもいなかった。

立ち上がり

グネグネするそこを

地面へつながっている

方向へ向って

降りていく。

トン、と毛足の長い

赤い絨毯が敷き詰められた

床へ飛び下りる。

振り返ると、

部屋の半分を覆うほどの

巨大なカエルが

そこにいた。