降りようと 体を引き離すと 地面はぬめぬめした 粘着物質の糸をひいた。 『うわ。』 けれどそれは体を離してゆくと 地面のほうへ 綺麗に戻って行った。 こちらの体は濡れてもいなかった。 立ち上がり グネグネするそこを 地面へつながっている 方向へ向って 降りていく。 トン、と毛足の長い 赤い絨毯が敷き詰められた 床へ飛び下りる。 振り返ると、 部屋の半分を覆うほどの 巨大なカエルが そこにいた。