視界が開けて、

高い天井の

建物の中なのが分かる

その、少し高い場所に

ルカはいた。

そして


「ようこそ、魔界へ」


さっき、頭の中で

響いていた声が

今度はリアルに

自分の外側から響いた。

ルカは

声の方を見降ろした。

誰かがソファらしきものに座って

こちらを見ていた。

横に細長く開いた目。

それ以外のパーツが

整っていてクセがないせいで

そこだけが

印象的だった。


「ガウ、降ろしてあげなさい。」


彼、が言うと、

床は動いた。

落ちないようにしっかり貼りつく。

床が低くなり、

彼が手招く