「REAL」―あるアイドルの告白―

この歓声を聴けただけでも、よかったと思った。

あたしは、幸せだった。


「ありがとうー! みんなー!!」


あたしはもう一度、大きい声で叫び返した。

応えるように歓声が高まり、それが静まるのを待ってから、再びマイクに向かった。