「REAL」―あるアイドルの告白―

マンションのポストには、手紙を入れられないようにしてもらって、郵便物は全て事務所に転送するようにした。

メッセージが残せないようになると、ストーカーは自分の思いが踏みにじられたようにも勝手に勘違いをして、嫌がらせをするという手段に出た。

いわゆる、報復。

事務所の迎えの車に隙を見て近づき、車体に傷をつけ、ガラスを割り、

マンションの玄関の前には、なんの血だかわからないような血を、大量にぶちまけた。

既に、あたしは精神的にボロボロだった。

けれど、それでもまだ飽き足らなかったのか、憎しみをつのらせたそいつは、あたしの前にナイフを持って姿を現した――。