ファンレターは、もう何通も読んでいた。

思いを綴ったラブレター風のものから、会ったこともないのに勝手に友達気取りなもの、自分が七瀬リオを育てたようなつもりで、もっとこうした方がいいとかアドバイスしてくるものまで、いろいろあった。

どれも、ひとつずつ読んではいたけれど、くだらないとしか思えなかった。

七瀬リオなんて、本当はいないのにって。

ステージから降りてしまえば、あたしはただのあたしだった。

素でファンレターを読んでるあたしには、ファンからの熱烈なラブコールなど微塵も届かなかった。