山賊眼鏡餅。

「っていうか、オード君の自己紹介、まだじゃなかった?」


「あ。そうだった」


オード卵は、あわてて髪型を整えた。



「おいらは駒込ヒカル。ニックネームはオード卵だぜ!」

そう言うと、オード卵は、力こぶを作った。



「趣味は筋トレ!好きな食物は卵の白身や鶏のささみだぜ!」


一見さわやかだが、内面は暑苦しそうだ。

ナルシストかナルシストでないかの2択で判断するとしたら、完全に前者だ。


「チャームポイントは、尻の筋肉だぜ!」


「わあ。見てみたいです」

目黒さんが目を輝かせて言った。



「そうだ。目黒さんも自己紹介まだだったよね」

私が言うと、目黒さんは立ち上がって、自己紹介を始めた。



「私、目黒と申します。趣味はいろいろありますが、お料理とかパッチワークとか、ジグソーパズルが得意です」


目黒さんにそんな趣味があったとは知らなかった。


「好きな食物はバター」

オード卵とは正反対だ。


「好きな芸能人は美輪あきひろさんです」


「へえ。渋いな」

オード卵が言う。




「ちなみに!」

唐突に、裏返った高い声が聞こえた。



鶴見ミツルだ。


「僕は、ゆうかが好きだな!」


「そうなんですか」

目黒さんが答える。


「年上好きなんだよね!僕!お姉さまの魅力で、癒されたい系!なんつって。ハハハ」




恐い……。




私は鶴見ミツルに対して、計り知れない恐怖を感じた。


こういう、声ばかり大きく、しかも頻繁に裏返るような男は、切れると何をするかわからない。



それが、私が20年間の人生で学んできたことのうちの一つだ。

こういう男には注意したほうが良い。