「ママが聞いた話では、吉川ヨシオ君は、暗やみで突然襲われて、気付いた時には病院だったそうです」

平田は相変わらず得意げだ。



「じゃあ真帆と同じだね」

私が言うと、沼袋部長は眼鏡を光らせた。

「警察は通り魔だと言うけれど、これは明らかに、リス研の仕業だ」


「なんでそう思うの?」


「通り魔が、ハム研メンバーを一晩で二人も襲うなんて、出来すぎてると思うんだ」


「確かにそうです!沼袋部長!」

目黒さんが、うっとりとした顔つきで、部長をみつめて言った。


それを敏感に感じ取った平田は、嫌な顔をして、なぜか、目黒さんの見事な胸をちらちらと見た。


目黒さんは、胸元に『BIG!』とプリントされたピンク色のTシャツを着ている。




「僕が、真帆君と吉川君を傷つけた犯人を見つけてやるんだ!」

沼袋部長は、高らかに叫んだ。