「嘘だろ?驚いたな」

吉川ヨシオはそう言って、こけしぼうやに近づいた。


「これ、オレの息子だ」

吉川ヨシオが言う。


「嘘だ」

こけしぼうやが言う。

こけしぼうやは石が当たったのか頭から血を流している。



「オレの親父は、ホームレスに殺されたんだ」


「それはおまえの母ちゃんがついた嘘だ。親父がホームレスになったってことを子供に言えなかったんだな」


「そんなはずない!オレは、だから復讐をしてたんだ!ゴミ屋敷は趣味で燃やしただけだったけど!」


「呆れたバカ息子だな」


「オマエなんて、親父じゃない!オレの親父は死んだんだ」


「信じてくれよ。トムオ」

「オマエ、何でオレの名前を……」


「国際的に通用するようにと思って、トムオという名前を付けたんだ。母ちゃんとな」


「嘘だ!でたらめだ……オレに父親なんていない!」


「トムオ、お前の尻に三本線の火傷の跡があるだろ……あれは、オレがマシュマロをフォークに刺して焼いていた時に赤ちゃんだったお前の尻に落として付いたものだ。母ちゃんに死ぬほど怒られてね」


「まさか、本当に、親父……??」


「そうだ」


「親父!」


「トムオ!今まで悪かった!」


まさかの感動の再開だ。