プルルルル



呼び出し音が携帯電話のスピーカーから流れる。


4回コール音が鳴ったところで、相手が電話に出た。


「もしもし、真帆……あ」


ブチッ

という音が鳴って、電話はすぐに切れてしまった。



「切れた」


「電波悪いからね」


「もう一度かけてみよう」


二度目も同じだった。


一瞬つながるが、すぐに切れてしまった。




三度目にかけた時には、留守電になっていた。



「うーん。忙しいのかな?」


「別の友達にかけてみたら?」


「じゃあ、部長にかけてみよう」



部長の沼袋ダイスケの番号をアドレス帳から選択して、電話をかけてみた。



数回のコール音の後、沼袋ダイスケが電話に出た。



「もしもし、沼袋部長!」


『……ミチコ君?』


「はい。大学で何かあったの?さっきからサイレンが……」


『大変なことになったよ』


「どうしたんですか」


『今から警察に行ってくる。詳しくはあとで説明するよ』


「あ、はい」


一方的に電話が切られてしまった。




「ミチコ、どうしたの?」


ハジメが心配そうに言った。



「私、大学に行ってみる!」


「え。ピクニックは!?」


「ごめん。続きは来週で良い?」


「わかった。近道があるから下まで送るよ」


「ありがと」