ロープを解いてやると、平田は緩慢な動作で、パンツとブラジャーを外した。


「一見落着ってわけですね」


「部長に電話しましょう」


「ちょっと待って」


「なんですか」


「吉川ヨシオ君、どこ!?」


「は。忘れてました」


「オード卵!!吉川ヨシオはどこなの!?」


ロープで縛られ、床に転がされたオード卵に私は言った。


「おいらは知らないぜ」


オード卵が答える。


「ちょっと教えてよ!」


「知らないんだってば」


「何で隠すの!?」


「おいらは知らない!……ぐほっ!」


ハジメがオード卵の腹を蹴飛ばした。


「痛っ痛っ」


「正直に話すんだ」

ハジメが言う。


「本当に、おいらは知らないんだ……ぎべっ!やめろ……痛いっ!痛い!!」


調子に乗って、平田までオード卵を蹴飛ばし始めた。

「やめろっ!おいらは知らないんだ!」


「嘘つかないでください!吉川君に大怪我させて、病院からさらったのはあなたしかいません!」


「おいらは吉川ヨシオって奴には何もしてない!」


「そんなはずありません!エイ!エイ!」


オード卵は、吉川ヨシオの居場所を絶対に言おうとしなかった。


なんという根性なのだろう。


でも、なぜ、吉川ヨシオの居場所を話さないのだろう。


いまさら隠す理由が無い。


オード卵は、もしかしたら、知らないのかもしれない。


オード卵の言っていることは本当なのかもしれない。