「ワタシは水鉄砲で撃たれました……。それも、おでんの汁を……」

小さな声で、1年生の女子が言った。



「僕は、豆でっぽうで撃たれました!いくら鳩胸だからってひどすぎます!」

2年の男子だ。



「いかにも悪質だな。オレらの今後の課題は、これにどうやって対抗していくかってことだな」

沼袋ダイスケが言う。



「目には目を、歯には歯を、ですよ、部長」

平田だ。


「攻撃は最大の防御なり、か」

吉川ヨシオが言った。



「リス研の部室の前に落し穴を掘るってのはどう?」

真帆が言う。


「真帆君、それ、良い考えかもしれない」


沼袋ダイスケ部長は真帆贔屓だ。

もっとも、大抵の男は真帆贔屓だ。



一気に話は盛り上がり、明日集まれるメンバーで、落し穴を掘ろうという話になった。





この時は、みんな、遊びのつもりだった。



笑いながら、落し穴の計画を立てていた。





これが、まさかあんなことになるなんて、誰が想像出来ただろうか。