部室に戻ると、真帆と沼袋部長は、まだゲームに熱中していた。


真帆は大分元気が出たみたいだ。



平田は椅子に座って、コカ・コーラの缶を開けると、鶴見ミツルに電話をかけた。


「どうだった?」


私が聞くと、平田は顔をしかめて手を横に振った。


「図書館で勉強しているから後にしてくれって言われました。使えない男ですね」


「図書館って、大学の図書館?」


「多分そうです」


「超近いよね。呼び出そうよ」


「あの男、頑固そうですからねえ」


「真帆、ちょっと鶴見ミツルに電話して呼び出してみてよ」


「えー。私!?」


「たのむよ」


「私、その人のことあんまり知らないんだけど」


「吉川ヨシオ君を見つける助けになるかも」


「じゃあ電話してみるよ」

平田の携帯電話から、真帆は鶴見ミツルに電話をかけた。



「あの……初めまして。私、ハム研の……………ええ。はい…………。うーん………………ミミさんが…………はい。うん。………わかりましたー」


2分程話して真帆は電話を切った。


「今から来るって」


「キー!」

平田が嫉妬の声をあげた。