しばらくして、平田がコンビニの袋を持って戻ってきた。


中身は、ポカリやコーラ、烏龍茶、さらにはアイスまでたくさん詰まっていた。


「この雪見大福は僕のですからね。あとは好きなの選んで下さい!」

平田は言った。


真帆が、真っ先に、雪見大福を取った。


「くっ!」

平田は堪えた。


平田もなかなか大人になったものだ。



「そういえば、ウルフさん、ミミさんに連絡したのかな?」

私は言った。


「ミミ助は、ウルフさんにもほの字みたいだから、もし連絡していたら、何か言ってるかもしれませんね」

目黒さんが言う。

目黒さんは、三つ、アイスをキープしている。

そのせいで、沼袋部長と私のアイスが無いのだが、お構いなしだ。


「僕、電話してみます!親友だから!」

張り切って平田は電話をかけた。

ハンサムな友達ができて嬉しいのだろう。


「もしもしー。平田です……ぇ」

平田の笑顔が曇った。


「え……。はい………………うーん………お大事に………」


なんだか、まずいことになっていそうだ。


「平田、どうだった?」


「ウルフさん、昨日、落し穴に落ちて、怪我して寝てるそうです……」


「えー!」


「もしかしたら、それも、ミミ助のしわざかもしれませんね!」

目黒さんが言う。


「そんな、いくらなんでも……」

私の言葉を遮って、目黒さんは言った。


「ミミ助に連絡した途端、これですよ!絶対、ミミ助の仕業です!」


「で、ウルフさん、ミミさんに連絡したの?」

私は平田に尋ねた。


「聞いてません」


「もう一度電話しようよ」


「あ!お見舞いがてら、ウルフさんの家まで行きませんか?」


「近いの?」


「ここから歩いてすぐですよ」

平田は嬉しそうに言った。


ぷよぷよな熱中する真帆と沼袋部長を残して、私たちは、ウルフ中川の家に向かった。