次の日。


山嵐ノゾミからの電話で目が覚めた。


『起こしちゃった?ごめーん』

平坦な声で、山嵐ノゾミは言った。

元気が無さそうだ。


「どうしたの?」


『目黒っち、昨日ミミにどんなこと言ったの?』


「あれ?鶴見さんに聞かなかったの?」


『なんか笑ってばかりでよくわからなくてねぇ。ミツルっち』

「なんか、切れて、おまえが犯人ってわかってるだとか、大声で言ってましたよ」


『それでかなぁ……参ったなあ』


「何かあったんですか?」

『ミミが家に帰ってないみたいなんだよ』


「え……」


『ミミのお母さんから、あたいに連絡があってねぇ』


「私たちがあんなこと言っちゃったから……」


『かなり心配してるみたいだから、何かミミから連絡があったら教えてね』


「うん……」


『っていうか、あたいが心配してるのは……いや、なんでもないよ』


「なんですか」


『あの子、結構思い詰めるタイプだから、自殺とかありえるかもしれないと思ってね』


「え……」


『犯行がばれて自殺とかって、よくある話じゃん』


「そうですよね」


『火曜サスペンス劇場の見すぎかな。あはは』


「あ。オード卵さんはちゃんと帰ったんですか?」


『うん。メールしたら返信があったよ。まっ、家にいるのかはわかんないけど、とりあえず、普通にいるよ』


「そっか」


『じゃ、何かあったら、連絡よろしくね』


「はい」