その後は大変だった。

泣きじゃくる目黒さんをなぐさめたり、平田をトイレに行かせたりして大忙しだった。


二人が落ち着くまでに、1時間かかった。



「あれはまずかったですよう」

チョコバナナを噛りながら平田が言う。


「だって、ミチコ先輩がピンチだったんですよ」


しょんぼりして目黒さんが言う。


「まあ、気持ちは伝わったかもしれないよね」


「ミミ助が犯人だということを知っているっていうアッピールには確実になりましたよね」

目黒さんの声が元気になった。


立ち直りが早いのは、目黒さんの良いところだ。


「自首する気持ちになってくれましたかねえ」


「あとは本人次第だよね」


「まあ、済んでしまったことは仕方ないです。お祭りをエンジョイしましょう」

目黒さんは、すっかり立ち直っている。


「いか焼き食べましょうよ!」

平田も食欲旺盛だ。


その後は、平田のお金で、ありとあらゆるものを食べた。


「もう食べられないよ」


「まだまだぁー」


「ミチコ先輩、だらしないですよ」


二人の食欲は底無しだった。


ザルを通り越して、枠とはまさにこのことだ。



「フランクフルト食べましょ!」

平田がそう言って万札を差し出した先は、鶴見ミツルのフランクフルト屋さんだった。

不注意にも程がある。


「ヒヒヒ、何本のフランクフルトが必要かな」


「13本ください」


「5200円になります」

相変わらず、桁違いな男だ。