山賊眼鏡餅。

二人は鬼の形相だった。



私を助けにきてくれたのだ。


でも、もう助けは不要だった。



「この売女~!」

目黒さんが叫ぶ。


「ヒヒ」


金魚の袋を二つかかえた鶴見ミツルは楽しそうにこちらを見ている。



「この人殺しぃぃ!全部こっちはわかってるんだよぉぉお!平田先輩やミチコ先輩を襲ったのはおまえだろぉぉお!」


そんなことをここで言ったらまずいのではないかと思われることを思いっきり大声で言ってしまっている。


気付くと、まわりの人たちは、ほぼ全員、私たちに注目している。


目黒さんは本格的に橋本ミミ目がけて飛び掛かろうとしている。


これでは、平田家の悲劇の再現になってしまう。


「目黒さんダメー!」


叫んでも私の声は目黒さんに届かない。


きれているのだ。



目黒さんが高く跳び上がった


1メートルは跳んだのではないだろうか。


もう止められない。




そう思ってあきらめた時。



素早い動きでオード卵が目黒さんをはたいた。



ぱしっ


という音が響き渡った。



目黒さんは蛙のように地面にのびている。



「ミミちゃん、あんなの全部嘘だぜ。行こう」


オード卵はそう言って、ミミと二人で逃げるようにその場を去っていった。



鶴見ミツルは楽しそうにその様子を眺めていた。