「もしもし」

私が電話に出ると、山嵐ノゾミはすごい勢いで言った。


『やっほー!退院パーティやるから来てよ!』


「え!?誰の?」


『沼袋ちゃんだよ!聞いてないの?』


「え!もう退院!?」


『そだよ』


「二日で?」


『大したことなかったみたいだね。あは』


「退院パーティって言うのはどこでやるの??」


『あたいの家だよ。場所、説明するね。わかりやすいよ』


「はい!」


「大学から、山を通り越してまっすぐ。こけし工場の隣の5階建ての緑色のマンションだよ」



わかりやすい説明だった。

それなら初めてでも迷わず行けそうだ。


『じゃ、6時にね!』

山嵐ノゾミはそう言って電話を切った。