「私も真っ先に思いました」

目黒さんが言う。



「脅迫状ってなんですかぁ?」

平田が言う。


どうやら、平田だけ、脅迫状の話をまだ聞いていないらしい。


「これ以上のことをしたら殺すみたいなことが書いてありましたよね」

目黒さんが言う。


「心当たりある?」

真帆が言う。



「無いな。だいたい何で脅迫されているかの見当もつかない」


「確かに、リス研に対して何も悪いことしてませんよね」

目黒さんが言う。


「あ、でも」

真帆が言う。

「でも、リス研の女の子とおイタしてなかった~!?」


「や、山嵐君のことか!?あれはごはんをご馳走になっただけで、何もいやらしいことは、ほっほ……ほとんどしてないんだ」


「橋本ミミちゃんとだって何かあったよね~!?部長」


「ミミ君とも、ちょっと何度かデデデートしただけで、いっ……いやらしいことは、あ……あまりしていないんだ!」


沼袋部長は、あからさまにしどろもどろになって言った。


「え~。沼袋部長の言う、あまりいやらしいことはしていないの定義ってどこまでですか~!?」


「はぐアンドきっす……までだ」


沼袋部長がそう言うと、目黒さんと平田は、みるみる真っ赤になった。


かちかちと歯を鳴らし、鼻息が荒い。


二人して、眼鏡を外して布で拭いたりしている。


「やだぁ。二人ともウブなんだから~。平田くんはファーストキッス、もう済んだでしょう」

真帆が言うと、とうとう平田は鼻血を出して、その場に倒れこんだ。



すかさず、沼袋部長がナースコールする。


すぐに看護士が現われて、平田をどこかへ運んで行った。



病院だと、倒れても安心だ。