「ミチコ先輩!大丈夫ですか」


急に名前を呼ばれてびっくりしてしまった。


目黒さんだ。


隣に、真帆が立っている。


「真帆!?」


「遅れてごめんね~」


真帆は、短い丈のジーンズにシフォン素材の黄色いブラウスを着ている。

今日も相変わらず男受けの良さそうな服装だ。


「ヨシオ君の洗濯を手伝ってたら、乾燥機がなかなか終わらなくて……てへ」

良い彼女アピールだ。


というか二人は付き合っているのだろうか。

洗濯をするくらいの仲だったら、もうステディな関係かもしれない。


「沼袋部長は、洗濯とかどうしてる?」

真帆が言った。



「僕の洗濯物は、母が家に持って帰って洗うって言ってたな」


「やっぱそうだよね」


「吉川ヨシオ君の洗濯物は真帆くんがたまに洗ってあげているのかな」


「たまにっていうか全部」


「それは大変だな」


「ヨシオの両親は、遠くて仕事も忙しくて全然来られないみたい」


「そうか」


「っで」

と真帆は言った。


「で、やっぱり脅迫状と関係あるんだよね」



あの平仮名だらけの脅迫状だ。