山賊眼鏡餅。

「何をされたんですか」

目黒さんが言う。


「口に何かを入れられそうになったんだ」


「チョコバーとか?」

平田が言う。


「チョコバーだったら良かったんだが……。僕は甘党だからね」


「きりたんぽ!」


「いや。もっと小さい、薬みたいな物だった」


「まさか、毒!?」

目黒さんが、ガラスの仮面のような顔で言った。


「もしかしらたそうかもしれない」


沼袋部長は、そう言うと包帯だらけの手で眼鏡を正した。



「不思議ですなあ」

平田が言う。


「犯人は何がしたかったんでしょうねえ」


「歩いている生身の人間の口に、薬を突っ込むなんて、どうかしているな」

沼袋部長が言う。


「犯人は、女性の可能性が高いんですよね」

目黒さんが言う。


「わからないよ。でも、髪は長かった」


「身長は?」

目黒さんが興味津々で聞く。


「覚えてない」


「服装は?」


「なにしろ暗くて。黒っぽい服装だったかなあ」





髪が長くて黒っぽい服装……



思い当たる節がある。





嫌な汗が出てきた。




まさか、


ハジメ……!?




でも、何の為に……!?