「正直、あたいは、リス研に犯人がいるなんて信じたくないけどね……」

と、前置きをしてから山嵐ノゾミは話しはじめた。


「鶴見ミツルは、背ばっかり高いへなちょこだね。たまに切れると手に負えないけど、普段はおとなしいね。頭は良いよ」


合コンで感じた印象の通りだ。


「浮いた話しも無し」


そんな感じだ。


「オード卵は、いまどき珍しい熱い男だね。好きになった女には一途だよ」


「好きな人とかいるんですか?」

目黒さんが言う。


「いるらしいんだけど、誰にも言わないんだよね」


「っで」

山嵐ノゾミは続けた。


「橋本ミミは、良い子だよ。部長さんはよく知ってるだろうけど」


山嵐ノゾミはそう言うと、意味ありげなほほ笑みを浮かべた。


「あー。落し穴事件で一番ひどい目にあったのは彼女かな」


「どういうことですか?突き指だけですよね」

目黒さんが言う。