真帆と橋本ミミの二人が、お茶を入れてケーキを取り分ける役割をやってくれた。

平田は青い顔をしてソファに座っている。

広いリビングだ。


皮張りの大きなソファに、厚みのある一枚板で作られたテーブルがゴージャスだ。

ティーカップやガラス製品が、アンティークの飾り棚に飾られている。


大きな窓から、広い庭が見える。

外は薄暗くなっている。

窓からの風が、カーテンの裾を揺らしている。

絵に書いたようなリビングだ。



ウエッジウッドのワイルドストロベリーの柄のお皿に載せられたコージーコーナーのケーキは、少し場違いな感じがした。


「おいしい。みんな、ありがとう」

私は、心から、そう言った。


「本当、意外と美味しいね」

真帆が言う。

沼袋部長も満足そうにケーキを食べている。


「私が選んだんです」

目黒さんが得意げに言う。

目黒さんって、コージーコーナーっていう感じだ。


平田は、寝ながらショートケーキを食べて、鼻にクリームが付いている。