山賊眼鏡餅。

「私、潜りには自信あったんでふけどねー。ぶほっぶほっ」

目黒さんが言う。


「橋本ミミさんと平田くん、すごいね」

真帆が感心している。

もう2分以上潜っているのではないだろうか。


「ここまで長いと心配になるね」

私が言うと、真帆は心配そうに頷いた。



目黒さんは、鼻を垂らしている。


そろそろ3分が経過しようとしている。



「やばくない?」

私が言った瞬間、橋本ミミが顔を出した。



濡れた黒髪が眩しい。

潜る前とまったく変わらないすがすがしい表情だ。



「エヘ。私、肺活量には自信あるんです」

まだまだ余裕がありそうだ。


「すごいじゃないか。ミミ君」

沼袋部長が言う。


「わ、私、ずっとクラリネットをやっていたから」

はにかんでミミが言う。


「へえ。いつからやってるの?」

真帆が言う。


「しょ、小学校4年生からです」


「すごい。今度聴かせて!」


「は、はい。っていうか平田さん、大丈夫ですか?」



平田の存在を完全に忘れていた。



もう5分くらい潜りっぱなしではないだろうか。