「それでは、目黒さんがハムスター当番にぴったりだと思う者、挙手をしたまえ!」

沼袋部長はポーズを決めて言った。



誰も手をあげなかった。

「では、ミチコ君が良いと思う人!」


平田が手を上げた。


「それでは、平田君が良いと思う人!」


沼袋部長も含めて、平田以外の全員が手を上げた。



「決まりだな」

沼袋部長が言う。


「僕ですかあ!?」

平田が眉毛を八の字にして言う。


「多数決だからしかたないさ」


「なんか納得いきませんよお」


「平田先輩、多数決なんだから、しかたないじゃないですか」


「そうですけどねえ」

平田はそう言いながら、籠からハムスターを取り出して、肩に乗せた。



「平田先輩、籠ごと持って帰らないとダメですよ」



目黒さんに注意されて、平田はハムスターを籠に戻した。



こうやって見ていると、本当にお似合いの二人だ。