ドアの前の岩に腰掛けて、私はハジメが帰ってくるのを待った。

座ると、幾分か気分が落ち着いた。

蝉の鳴き声が聞こえる。




それから、どこからともなく、人の声も聞こえる。





うめき声のような感じだ。



注意して聞いてみると、どうやら、その声はハジメの家の中から聞こえているようだった。





もしかしたら、中でハジメかお母さんが倒れているのかもしれない。

熱中症が流行る季節だから、おおいにありえる。


私は、思い切って、壊れたドアから、室内に入って行った。