誰も気付きゃしない。


それがなんだか面白かった。




自転車でちょっと走っただけでももう俺らのことを知る人はいない。


これからもっともっとペダルを漕ぐと全く俺らを知らない人ばかりになる。


俺らが誰で、何をしてるのか、そんなこと興味ない人ばかりが周りにゴロゴロしてるだろう。


ゲームのRPGみたいに色んなところへ行ってバスケを通じて友達を増やす。


そう考えるとワクワクワクワクしてグリップを握る手に力が入った。




「はやく行こうぜ神奈川!!!!」


前で自転車を漕ぐザキとジョーに向かって叫んだ。



キラキラと輝く未来が待ってるような気がした。