早朝5時ジャスト。

まだスズメの鳴き声も聞こえてこない時間帯。


俺はオレンジ色のTシャツと黒の動きやすいハーフパンツという出で立ちで自分の部屋を見回していた。


長く部屋を空けるため、昨日ついでに片づけをした。

整理整頓された部屋は、なんだか自分の部屋じゃないみたいで少し居心地が悪かった。


机の上に置手紙を残し、全財産の入った大きなカバンを肩にかけ静かに部屋からでた。



まだ誰も起きていないリビング。

静まり返っていて、自分のちょっとした足音が大きな音として響く。


誰も起きませんように。

祈りながら、抜き足差し足……忍び足。


自分の家なのに、泥棒みたいな歩き方だ。