伝えたくて




「なんかお前らのお陰で元気出た!俺ちょっと頑張ってくるわ」



「頑張ってね!」



そう声をかける柳原の隣で蜜川は小さく手を上げていた。


どこまでもカッコいい奴。


さっきから時間もだいぶ経って、もういないかもしれない。


それでも少しの希望に賭けた。


今日、今じゃないと言えなくなるかもしれない。


後悔だけはしたくない。


一年生の下駄箱の所まで行くと結子と郁奈、それから大翔がいた。



「あ、剣介!お前遅いよ。待ちくたびれて玄関来ちゃった」



大翔が少し不機嫌そうに言う隣で結子が笑ってる。


また胸が少し痛い。


でも言わなきゃ…。



「大翔、ごめん。ちょっと結子借りていいか?」



俺が聞くと、大翔と結子は不思議そうな顔をした。



「別にいいけど…早く返せよ」



首を傾げながら大翔は言った。


俺がこれから何をするかなんて、きっと予想もしてないだろう。


だって言ったことねぇもん。


言えるはずがない。