伝えたくて




「ううん、違うの。ちょっと永峰先輩に用事があるから」



「え、俺?」



結子との約束を断ってまでも、俺に用事ってなんだろう…?


でもちょうどいいや。


郁奈にもちゃんと言わなければいけない。



「じゃ結子、俺と一緒に帰ろ」



俺と結子は帰り道が一緒だったから今までは一緒に帰ってたけど、付き合い始めてからは大翔が結子を送っていくようになった。


そんなの当たり前だけど。



「じゃあな」



大翔が俺と郁奈に言って結子の手を掴んだ。



「また明日!」



結子も振り向いて言う。


俺も郁奈も手を振って2人を見送った。


気付けば雪は止んでいた。



「先輩、歩きながらでもいいですか?」



郁奈が俺を見ながら尋ねる。



「ああ」



俺の返事に郁奈は先に歩き始めた。


まだ靴を履き替えていなかった俺は慌てて履き替えに行った。


外は風が冷たくて、息も少しだけ白い。



「なぁ郁奈。俺さ、ずっと結子のことが好きだった」



「知ってましたよ、最初から。それでも伝えておきたかったんですよ、私の気持ち!」



振り返った郁奈は笑ってた。