―……ガチャ 屋上に、ドアの開く音が小さく響く。 その音に、フェンスに寄りかかっていた男が振り向いた。 ――利翔だ。 「よお…」 「よ…!」 挨拶を交わして、あたしは利翔の元へ駆け寄った。 ほんのりと利翔の頬が赤く染まる。 なんでだろ…? と、上目使い気味に利翔の瞳を覗き込むと、 「やべ…」 と呟いた。 ……何なの、利翔…????