カチャ…。 人気のない静かな廊下に、鍵が開く音が響く。 「おじゃましまーす…」 第二の家だけれど、ここ最近はあまり来ていなかった。 自然と、よそ行きの挨拶が口を吐く。 「久し振りだね~」 パチンと電気をつけると、前と変わらず御洒落で綺麗な家が見えた。 手入れは欠かさないみたいだ。 奈々は、もう馴染んで、ボスンとソファに身を投げた。 「やっぱり、このソファ…ふかふか」 「……よかったな」 返事に困り、てきとうに答えた。